国産紅茶を復活した丸子紅茶
境内を遊び場にして子供のころから元吉翁のことを聞かされていた村松二六は、この紅茶発祥地のお茶を絶やしてはならないと、平成元年から本格的に紅茶の復活に打ち込むようになりました。紅茶の輸入自由化によってインド、スリランカなどから 低価格の紅茶が輸入されるようになると、元吉翁から続いてきた国産紅茶生産はすっかり止まってしまいました。村松二六は茶園の土作り、茶樹栽培、紅茶発酵の仕組みなど元吉翁と同じように茶のすべてにわたり研究をしました。
茶業 試験場や大学を訪れて専門家の指導を受けたり、紅茶生産国のスリランカなどに何度も足を運びました。村松二六は「紅茶も一般の農産物と同じように、化学肥料や有害な殺虫剤不使用の有機栽培で、安心安全の美味しいものを作らなければ」と努力を続けた結果、「紅富貴(べにふうき)」の生産に日本で初めて成功しました。
中でも、萎凋器と発酵器は独自開発によるもので、発酵器は国内特許を取得しています。
丸子から紅富貴(べにふうき)を全国に広める
紅茶は発酵、揉捻、発酵の工程に時間、温度、湿度など微妙な神経を使います。村松二六の紅茶作りは実に職人技です。また村松二六自作の発酵器は特許庁からも認可され、その他の機具とともに生産者の間で評判となっています。
村松二六が育てていた紅茶用品種「紅富貴(べにふうき)」から作った紅茶は研究の大集成で、輝くばかりの紅色、まろやかな深い味は、ホットでもアイスでも香りが楽しめる絶品です。
紅富貴の生産者は村松二六ただ1人でしたが、村松二六の紅茶作りのノウハウを身に付けたいと全国のたくさんの茶農家が訪れて指導を受けました。
この結果、紅富貴の栽培、製造は各地に普及しました。しかし化学肥料を使ったり、殺虫剤を大量に噴霧する農家も多く、粗悪なお茶も出回っています。
村松二六が独特の釜炒り方式で作る紅富貴の緑茶は味、香りが抜群で、アレルギー性鼻炎(花粉症)に効くメチル化カテキンを大量に含んでいます。
この紅富貴緑茶は花粉症に効くことが最近専門医によって証明され、新聞にも報道されました。